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AIエージェント集団が科学者並みの材料設計を実現

デューク大学の研究チームが、複雑な設計問題を科学者レベルで解くAIボット群を開発した。この成果は、AIが特定の分野における基礎的な設計課題を自動化できる可能性を示しており、今後の技術進展に大きな影響を与えると期待されている。研究は学術誌『ACS Photonics』に発表された。 研究の中心となるのは「不適切な逆設計問題」——つまり、求められる結果はわかっているが、その実現方法が無数にあり、どれが最適か判断が難しい課題である。研究チームは、人工的な構造を持つメタ材料(金属を使わない合成材料)の設計を対象にした。これらの材料は、化学ではなく構造によって自然界には存在しない电磁特性を発揮する。 これまでの研究では、深層学習AIと「ニューラル・アドジョイント法」と呼ばれる逆算型の最適化手法を組み合わせ、数千ものシミュレーションデータを用いて設計パラメータと性能の関係を学習していた。今回、研究チームは、このプロセスをすべてAIエージェントの集団(「エージェンティックシステム」)に任せることに成功した。大規模言語モデル(LLM)を複数用い、データの収集・整理、深層ネットワークのコード生成、結果の検証、最適化処理までを自律的に行わせた。 このシステムは、上位のLLMが各エージェントの連携を管理。進行状況をリアルタイムで把握し、誤差の低下が鈍化していると判断すればデータを追加生成し、進捗が良好なら継続して最適化を実行する。また、ユーザーに「現在のモデルは十分に進展しているか」「追加データが必要か」を明確に報告できる点が特徴で、研究者の直感に近い判断をAIが行えるようにした。 実験では、過去に博士課程の学生が解いた問題をAIに挑戦させた。平均性能は人間の専門家に及ばなかったが、AIが導き出した最良の設計は、人間の成果とほぼ同等の性能を発揮。研究を主導した博士課程学生のDary Lu氏は「AIが『研究の直感』を学習できたことが最大の難関だった」と語る。 研究リーダーのWillie Padilla教授は、この技術が今後、科学者やエンジニアの生産性を飛躍的に高める可能性を示していると指摘。計算電磁気学に限らず、多くの分野への応用が見込まれ、AIが自ら研究を進め、方法を改善する「人工科学者」の実現が近づいていると期待している。

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