ウォール街のAI革命:大手金融機関が生産性向上にAIを駆使
投資銀行、ヘッジファンド、資産運用会社らの金融機関が、生成AIを活用して生産性を高め、人件費の削減を進めている。Wall StreetのAI化はすでに本格化しており、JPMorgan Chaseは年間180億ドルを技術開発に投じ、AIを基軸に据え、20万人以上の従業員に導入。同社は、従来の外部の株主投票アドバイザーを廃止し、自社開発のAIプラットフォーム「Proxy IQ」で3,000件以上の会議データを分析する体制を構築。CEOのジェイミー・ディモンドン氏自身もAIツールを積極的に活用している。 ゴールドマン・サックスは今年60億ドルを技術に投資し、AIによる効率化と人材採用の抑制を進め、一部の役職の縮小も見据えている。同社は内部AIアシスタントを全従業員に提供。モーガン・スタンレーは、社内開発のAIツール「DevGen.AI」で今年だけで28万時間以上の工数を削減。特にインターンの72%がChatGPTを毎日または数回使用しており、AIの浸透が顕著。 シティグループは、83カ国にまたがる18万人の従業員が独自AIツールを活用。年間700万回以上の利用が記録され、毎週約10万時間の開発作業が自動化されている。9月には5,000人を対象に「エージェント型AI」の導入を試験的に開始。 ヘッジファンド界でもAI競争が激化。シタデルは内部チャットボットでストックピッキングの効率を高め、ワールドクアンツはAIで画像や音声データを活用し、モデルの入力データを拡張。ブリッジウォーターは2024年にAI駆動のファンドを設立。Balyasnyアセットマネジメントは、上級アナリストの作業をAIが代替するボットを構築。同社の80%の従業員がAIツールを利用。マネジメント・グループやヴィーキング・グローバルも自社開発のAIを展開。 プライベートエクイティ企業もAIに注力。カーライルは2,300人のグローバル従業員にAIを導入。ブラックストーンは企業検索機能のAI化で、保険市場での競争力を強化。スウェーデンのEQTは「Motherbrain」と呼ばれるAIエンジンで取引の発掘を刷新。THLはAIコーディングアシスタントの導入でエンジニアの生産性を30%向上。 資産運用会社もAIを活用。ブラックロックは「Asimov」というエージェント型AIを導入。アライアンス・バーナインはAIでポートフォリオマネージャーの業務を効率化。バンエックはカナダのスタートアップと提携し、ETF業務のAI化を推進。クランはAIで買収先のデューデリジェンスを実施。ブロック(元Square)は、AIエージェントによるコード生成をオープンソース化。ジームは自社開発のチャット形式アシスタントで製品開発を加速。 金融業界全体がAIを「生産性の革命」と位置づけ、人間とAIの協働モデルを構築しつつある。
