トランプAI顧問、制御不能なら開発停止を指示
米国ホワイトハウス科学技術政策事務所(OSTP)のマイケル・クラツィオス所長は、急速に進む人工知能(AI)の開発対応について、企業側の自主的な開発見合わせを支持する考えを示した。FOXニュースのインタビューに対し、安全性に懸念がある場合や社会への流出を望まないなら開発を停止すればよく、政府による強制的な規制や一時停止要請は不要だと述べた。米政府は既存の規制ツールを活用してきたとし、業界の自己規制を重視する方針を明確にした。 2022年の生成AIブーム以降、OpenAIやAnthropic、xAI、Google、Meta、Microsoftなどは能力競争を展開している。しかし、Pew Research Centerの調査では半数以上の米国民がAI利用に懸念を表明しており、雇用への影響やプライバシー、サイバーセキュリティ上のリスクが深刻化している。実際に昨夏から今夏にかけてAIモデルを用いたハッキング事例が複数確認され、Anthropicのダリオ・アモデイCEOは6〜12ヶ月以内に大規模AIがインターネットを掌握する可能性を懸念。独立した安全監視体制の導入と政府規制の強化を提唱した。同提言はOpenAIのサム・アルトマンCEOやxAIのイーロン・ムスク氏ら業界トップの支持を得ている。 これに対しトランプ政権は、AI開発の加速と産業成長を優先する立場だ。5000億ドル規模のインフラ整備プロジェクトを支援し、データセンター建設の許可手続きを加速させる行政命令を発出済みである。また、AI開発における異常事態への対応を目的とした「AIタスクフォース」の設置を発表している。今週ワシントンD.C.では中国の習近平国家主席と会談し、貿易交渉に先立ちAI技術のリスク管理や安全保障に関する協議を行う予定だ。クラツィオス所長は、米国と中国が共通のリスクを回避するための対話を重視する考えを示し、政府主導の自主規制と国際的な技術調整を並行して推進する方針を固めた。
