PinterestのCEOが「検索」に全社を挙げて挑む理由
PinterestのCEO、ビル・リディー氏は、同社の成功の鍵を「検索」に置く戦略を推し進めている。2022年にCEOに就任したリディー氏は、TikTokとの競争に失敗し、ユーザー数が減少していた同社の再建に着手。彼は「世界に第4、第5のTikTokは不要」とし、Pinterestの強みである「視覚的でパーソナライズされた検索体験」に集中する戦略を打ち出した。この戦略の効果は顕著で、ユーザー数は9四半期連続で増加。2024年時点で月間アクティブユーザー(MAU)は6億人に達し、全体の約2/3が検索行動をとっている。月間検索クエリは800億回に上り、特にGen Zユーザーの獲得に成功。Adobeが実施した2025年の調査では、Gen Zの47%がPinterestを検索ツールとして利用している。 Pinterestは視覚検索機能を強化。画像から類似品や同じ商品を検索できる仕組みを導入し、ユーザーがインスピレーション画像から直接購入へつなげる体験を実現。さらにAIを活用した「ショッピングアシスタント」も導入され、ユーザーが音声やテキストで商品探しをサポート。こうした技術により、Pinterestの広告ビジネスの約2/3が「購買意図が高い」下流広告に該当し、企業にとって魅力的なマーケティングプラットフォームとなっている。 一方で、同社の株価はパンデミック時の高値に戻っておらず、第3四半期の決算では収益が予想を下回り、20%以上の下落を記録。貿易関税の影響による広告売上の悪化が要因とされている。しかし、アナリストらはPinterestのショッピング機能や未開拓の広告市場への成長余地に期待を寄せている。 リディー氏は、検索市場全体が変化しており、Google以外にもAmazonやYouTube、TikTok、ChatGPTなど多様なプラットフォームが検索の領域に進出していると指摘。「検索の未来は過去25年で最も競争が激しくなっている」と述べ、Pinterestは視覚検索という独自の強みを活かして市場を獲得する戦略を続ける。
