アルファベット、AI投資のリスクを明言し200億ドル規模の債券発行で資金調達へ
アルファベットは、人工知能(AI)基盤の拡大を進めるため、債務市場に再び参入する一方で、新たなリスクを公表した。同社の年次財務報告書では、AIへの巨額投資がもたらす「計算能力の過剰確保」や、サプライチェーン、電力、土地不足といったインフラ課題が、事業に深刻な影響を及ぼす可能性があると警告。AIの学習や推論に必要な計算能力を確保するため、第三者との大規模リース契約を結ぶことでコストと運用の複雑さが増すと指摘。また、契約不履行のリスクが、自社や取引先、サプライヤーのいずれかに発生した場合、負債や義務が増大する可能性も明記された。 今年の資本支出(Capex)は最大1850億ドルに達する見込みで、2025年比で2倍以上に拡大。これを資金調達するため、同社は200億ドル規模の米ドル建て債券発行を計画。4回に分けて実施され、そのうち100年債(英ポンド建て)も含まれ、出資申込は5倍以上に上るという。これにより、2025年の長期債務は465億ドルにまで増加。CFOのアナト・アシュケナジ氏は、「財務的責任を意識しつつ、適切な投資を進め、健全な財務状態を維持する」と強調。 CEOのサンダー・ピチャイ氏は、経営陣が最も懸念しているのは「計算能力の確保」だと明かした。「電力、土地、サプライチェーンの制約が、AI需要の急増に対応する上で大きな課題だ」と述べた。グーグル、マイクロソフト、メタ、アマゾンの4社は、今年のCapexを2025年の歴史的高水準から60%以上引き上げる見込み。高性能チップの調達、新施設の建設、ネットワークインフラの整備に巨額の資金を投入している。 グーグルのAI戦略の中心は、OpenAIのGPTやAnthropicのClaudeと競合する「Gemini」。ピチャイ氏によると、Geminiアプリの月間アクティブユーザーは7億5000万人に達し、前四半期比で1億人増加。一方で、生成AIの普及によりユーザーが検索を減らす可能性が、同社の広告事業に影響を及ぼす懸念も初めて財務報告に記載された。同社は「広告形式や戦略の変化に適応できるかは不確実」とも述べ、競争力の維持に課題を抱えている。 しかし、第4四半期の広告収益は前年比13.5%増の822億8000万ドルに達し、AIが検索事業を脅かすという懸念は一時的に抑えられている。
