アーテラ、SABCS 2025でAIが乳腺がんの予後・化疗効果を予測する多国間研究を発表
アーテラ(Artera)は、2025年12月9~12日に開催されるサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で、多モーダルAI(MMAI)モデルが乳がんの予後評価および化学療法の効果予測において高い実用性を示すデータを発表した。これは、ドイツ、オーストリア、北米の4つの独立した第III相臨床試験データを統合し、7,000人以上のHR+(ホルモン受容体陽性)早期乳がん患者を対象にした国際的・多国間の初の研究である。 発表された3つの研究では、MMAIモデルが、特に閉経後のHR+乳がん患者に対して、化学療法の効果を正確に予測できることを裏付けた。1つ目の研究(Abstract #1251)では、12,000人以上のデータを用いて、10年間の遠隔転移リスクを68%の患者が「低リスク」と分類し、その生存率は約95%に達した。2つ目の研究(Abstract #1410)は、ABC-8試験の閉経後患者を対象に、MMAIが低・中・高リスク群に正確に分類でき、それぞれの10年間遠隔転移フリー生存率が約95%、89%、77%であったことを確認。さらに、組織破壊を伴わず、迅速な結果提供が可能な点も評価された。3つ目の研究(Abstract #3685)では、NSABP B-20試験のノード陰性HR+患者(50歳以上)において、MMAIで高リスクと判定された患者は化学療法で10年間の遠隔転移リスクが52%低下した一方、低リスク患者には追加の効果が認められなかった。 これらの結果は、化学療法の不必要な投与を避けつつ、本当に必要な患者に治療を届ける可能性を示しており、臨床現場での精度医療の実現に向けた重要な進展とされる。アーテラCEOのアンドレ・エステヴァ氏は、「個別化医療はすべての患者に最適なケアを届けることを意味する。この技術が国境を越えて検証されたことで、より正確でアクセス可能な診断が可能になる」と強調した。 アーテラは、乳がんや前立腺がん向けのMMAI検査「ArteraAI Breast Test」を、米国や英国で販売。同社は、AIと病理画像、臨床データを統合した多モーダルAIプラットフォームを基盤に、世界中で個別化がん治療の支援を展開している。
