AMDがAIチップ創業企業Taalasを買収
AMDは木曜日市場閉場後、AI推論性能の大幅向上を目的としたスタートアップTaalasの完全買収を発表した。トロントに拠点を置くTaalasは、従来のHBMメモリに依存せず、モデルの重み情報をシリコン基板に直接刻み込むモデル特化型集積回路(MSIC)技術を開発。初代チップHC1はTSMCの6nmプロセスで製造され、MetaのLlama 3.1 8Bにおいて秒間約1万6900トークンの推論速度を達成し、従来GPUを凌駕する処理能力を実証済みの段階にある。 買収によりAMDは、Nvidia主導のAIハードウェア市場で推論サービスの高速化・低コスト化を図る戦略を強化する。次世代HC2は200億パラメータ規模を目標とし、今夏の出荷を目指している。AMDは同社Instinctプロセッサと組み合わせたハイブリッド構成を構築する方針で、プロンプト処理はGPUで担当し、トークン生成をTaalas製アクセラレータにオフロードするディゾールギテッドアーキテクチャの実現を検討している。Vamsi Boppana AI担当シニアバイスプレジデントは、ワークロードに応じた柔軟な計算リソース提供を可能にするフルスタックプラットフォームの構築を表明した。 専用回路技術の最大の課題はモデルの固定化にあるが、Taalasによれば重大なモデル変更でも金属層2層の変更のみで対応可能であり、リサイクルコストと納期の課題は実用範囲内と評価されている。推論コストの大幅削減と速度向上により、モデル開発者やインフラプロバイダーにとってテストタイムスケーリングの導入が現実的となり、AIエージェントの実用化が加速する見込み。買収金額は非公表で、規制当局の承認手続きを経て第4四半期に完了する予定である。
