AI健康相談、若者の不安抑うつを示す
フロリダ大学のYusen Zhai氏らを主席著者とする研究チームは、ジェネラティブAIの健康疑問利用と若年層のメンタルヘルスの関連性に関する大規模調査結果を「Journal of Counseling & Development」に発表した。2023年から2024年にかけて全米の約10万人の若者を対象に分析したところ、ChatGPTなどの生成AIを健康情報検索に利用した層は、未利用層と比較して臨床的に有意義な不安症状の陽性率が52%、うつ症状が46%高いことが判明した。この関連性は年齢や社会経済的地位などの交絡因子を調整後も維持された。 研究は因果関係を証明するものではないが、対話型AIの特性が心理的サイクルに与える影響を重点的に分析している。従来の検索エンジンと異なり即時応答を生成するAIは、情報が不完全でも説得力を持ちやすく、利用者が不安解消のため繰り返し質問を反復する健康不安の反芻を強化する可能性がある。また、誤情報が妥当な情報と混在する回答は若年層の識別を難しくし、精神的負担を増幅させる懸念が指摘されている。 一方で、抑うつ症状を持つ者がまずAIに依存する傾向があるなど、双方向的な関係性も想定される。Zhai氏は技術自体の問題ではなく使用方法が核心だと強調し、利用後の感情変化の自己観察を呼び掛ける。臨床現場ではAI使用実態のヒアリングと回答内容の検証支援が求められ、高等教育機関では生成AIの限界理解や情報源的の選別を含むAIリテラシー教育の導入が急務である。今後は適切な使用方法の模索と学術的検証が、若年層のデジタルヘルス環境を安全に整備する上で重要な課題となる。
