AWS、AIクラウドで遅れをとるも「死に至らず」――アナリストが見据える復活のカギ
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)がAIクラウド分野で市場リーダーから後れを取っているとの見方が広がっている。ウォール・ストリートの主要アナリスト、マーク・シュムリク氏(バーナーハイン)は、AWSのAI関連収益成長率の遅さ、GPUリソースの制限、AIスタートアップの他社移行傾向などを根拠に、AWSが「AIクラウド戦争で最下位」と指摘した。特に、マイクロソフトのOpenAIとの戦略提携や、グーグルが自社AIモデル「Gemini」と専用AIチップ「TPU」を活用した「フルスタック」型サービスの強化が、AWSの遅れを際立たせている。 しかし、この状況が「死の宣告」ではないとシュムリク氏は指摘。過去のMySpaceやNetscapeの例から、新技術の台頭で既存企業が衰退するケースは多くあるが、近年のメタやグーグルの回復例から、遅れを取っても再起は可能だと分析。AWSの「re:Invent」カンファレンスを前哨戦とし、実績の回復とストーリーの転換が期待できると見ている。 実際、AWSは2024年第二四半期に史上2番目の新規収益成長を記録。GPUの供給制限は依然あるが、緩和の兆しが見られ、開発者エンゲージメントも年始以降上昇。第三四半期の収益成長は加速すると予想され、2024年には18%の成長(1270億ドル)、2026年以降は21%前後の拡大が見込まれる。 また、AIスタートアップ「アントロピック」への80億ドル超の出資と、自社AIチップを活用した「プロジェクト・レイニアー」の開発が注目される。これは、従来グーグルに依存していたアントロピックの推論処理をAWSに移行する戦略。2026年にはAWS収益の2.6%、2027年には4%以上を占める可能性があると見込まれ、AI分野での再成長の鍵となる。 シュムリク氏は、「AWSがAI時代に間に合うかどうかの長期的な議論は続くが、複数の勝ちパターンを持つクラウド市場のリーダーとして、AWSの復活は十分に可能」と結論づけている。
