元銀行員が創業者として感じた時間感覚の違い
29 歳のアンドリュー・メンは、2021 年 1 月に投資銀行家としてウェルズ・ファーゴを辞め、現在は AI コンテンツ戦略スタートアップ「Yorby AI」の共同創業者として活動している。銀行員時代、彼は週 60 時間から 100 時間を超える過酷な労働に従事していた。特に新規株式公開(IPO)などの重要取引期間中、スケジュールは不透明で、週末でもメールを確認する日々が続いた。仕事とプライベートの境界線が消失し、パニックに近いストレスと虚無感を味わったことが決定的な転機となった。 銀行員時代の収入を蓄えながら 3 年間自宅に滞在し、資金を貯めた後、彼は一度はコンテンツクリエイターやマーケティングエージェンシーを経験した。しかし昨夏、ついに AI を活用した SNS マーケティング自動化を目指す Yorby AI を立ち上げた。現在、同社は著名な投資家から資金調達を果たし、ユーザー数は約 3 万人に達している。 創業者としての現在も、労働時間は銀行時代と概ね変わらない週 70 時間から 80 時間と見積もられている。平日は午前 9 時から深夜 11 時頃まで働き、週末も約 8 時間勤務するのが一般的だ。しかし、労働の質と感じ方は大きく異なる。銀行時代は他人の時間を支配されていたが、現在は自身の時間を自分で管理しており、自分が構築したいものに取り組んでいるため、長時間労働に苦痛は伴わないという。 その代わりとして、創業者には明確な休暇が存在しない。新婚旅行中さえもクライアント対応のために常に連絡を待ち構える状態である。一方で、銀行時代の文化を引き継ぎ、土曜日は強制休日に設定し、週 7 日働くことを防いでいる。銀行時代は「仕事連絡が来ること」への不安を抱えていたが、現在は「会社の成長と家賃の支払い」への不安を感じている点が決定的に異なる。 メンは、投資銀行家と創業者の両方のキャリアがともに高圧力かつ燃え尽き症候群のリスクが高く、ワークライフバランスの確保は極めて難しいと結論付けている。重要なのは、その時々の状況に最適な働き方を見極め、可能な限り長く継続することである。
