Apple、AI需要で製品価格を値上げ
アップルが主力製品の一斉値上げを発表した。16インチMacBook Proが300ドル、11インチiPad Airが599ドルから749ドル、HomePod Miniも30ドル高の129ドルとなった。ティム・クックCEOは値上げを避けられないとし、現在の価格設定が持続不可能であると説明。その主因としてAI需要拡大によるメモリ供給逼迫を挙げている。 専門家は今回の現象を基本的な経済原理として位置づける。AIデータセンターの急増により、マイクロンなどのメモリメーカーが生産ラインをAI用高帯域幅メモリへ大幅にシフトした結果、消費者向けDRAMの供給が逼迫している。データセンター顧客が消費者向けデバイスよりも高額なチップを調達するため、企業はコスト増を価格転嫁せざるを得ない状況だ。これは一時的なサプライチェーン不全ではなく、AIインフラ投資が定着した構造的な問題とみられる。 一方、アップルは過去4四半期連続で過去最高益を記録し、ハードウェア利益率は業界平均を大幅に上回る30から40パーセントを維持する。カーネギーメロン大学のアリ・ライトマン教授は、財務実態と持続不可能という表現のギャップを指摘。新CEO選定やAI戦略の遅れを補うため、株主に対する高収益維持の物語作りが値上げ決定に強く影響していると分析する。 値上げはアップルに限らず業界全体の動向である。Microsoft Xboxの価格上昇やNothingの製品発表中止、Arduinoのコスト増など、AIバブルによるメモリ調達競争はエレクトロニクス市場全体を覆っている。メモリメーカーは記録的収益を上げており、専門家は供給逼迫が数年単位で継続すると予測する。AI需要が消費者の負担を固定化する構造が広がる中、技術進化と市場価格の再調整をどう実現するかが、メーカーと消費者双方に課された課題となっている。
