メタ、余剰AI計算能力をクラウド事業で収益化
メタプラットフォームズは膨大なAIインフラ投資の収益化を図るため、自社保有の計算リソースとAIモデルを外部に提供するクラウド事業「Meta Compute」の構築に本格的に着手している。報道によると同社はAI用の計算能力と独自モデルへのアクセス権を販売するビジネスモデルを準備中であり、アマゾンAWSやグーグルクラウド、マイクロソフトAzureといった大手クラウドプロバイダーと直接競争する構えだ。 同社の本気度は、2025年第1四半期時点で1829億ドル以上のAIインフラ投資を宣言している実績が示す。ルイジアナ州やオハイオ州の大規模データセンターが建設中であり、ザッカーバーグCEOはオハイオ施設の年内稼働を目指すと明言している。しかし、メタAIやモデルファミリーLlamaなどの外部利用需要は依然として限定的であり、収益部門として独立した規模には至っていない。このギャップを埋めるため、計算リソースの直接販売に加え、大手クラウド事業者の手法を取り入れたホスティングモデルも検討されている。新プロジェクトはインフラ責任者のサントシュ・ジャナダルハン氏、スーパーインテリジェンスラボ責任者のダニエル・グロス氏、ディアナ・パウエル・マッカーミック最高経営責任者補佐らが牽引する。 本業のAIモデル開発ではなくインフラ運用での収益確保へ転換する動きは、スペースXのxAIが独自データセンターの容量をアンソロピックに売却した動きと軌を同じくする。これはAI競争の勝者が最良のアルゴリズムを開発した企業ではなく、計算資源を支配するインフラ所有者にシフトしつつある兆候でもある。一方で、半導体の急速な陳腐化や高額投資の回収リスクを懸視する声も根強く残る。同社はコメントを保留しているものの、ザッカーバーグCEOが5月にクラウド事業化を確実に検討中と明言する通り、同社のAI戦略における収益構造の抜本的見直しが進行中であることを示している。
