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新AIツールが小分子の正体を解明

ボイス・トンプソン研究所とコーネル大学の研究チームは、生体内の未知小分子構造解析を革新する新AIツール「AIMe」を開発した。質量分析計は毒素検査から代謝体解析まで不可欠な手法だが、既存の実験データライブラリは既知化合物の1%未満しかカバーせず、未知物質の同定には多大な時間と専門知識を要していた。この課題に対し、チームは神経記号型AIを採用したAIMe(AI Molecule Explorer)を構築した。 AIMeの中核モデル「DeepMS2Reasoner」は、分子の質量分析での断片化経路を化学記号規則とニューラルネットワークで逐次シミュレーションする。これにより既知の小分子約1億種から約8億件の予測質量スペクトルを生成し、検索可能リソース「MS2KOSMOS」として整備。従来の実験ライブラリと比較して約千倍の化学空間をカバー可能にした。 腸内細菌叢の有無によるマウス代謝産物比較データへの適用では、標準手法で同定できなかった数千種の特徴量の中から、主要な不明化合物の約3分の1に構造候補を関連付けた。特にポリアミン誘導体2種類を特定。線状プトレシン誘導体は合成標準物質により検証済み。もう1種類はこれまで報告例のないマクロサイクリック(環状)ポリアミンであり、公開データベースのヒト糞便サンプル99件中57件で検出されることを確認した。微生物叢依存性ポリアミンのバリエーションが従来想定より遥かに豊富であることを示唆する結果となった。 同ツールは既存の大規模データセット約700万クラスターにも適用され、従来注釈のあった41万6千件を上回る約269万件の新規構造候補を付与。研究成果はプレプリントサーバーbioRxivに掲載され、ツールはオンライン利用可能。ソースコードは論文掲載後に公開される予定。AIによる化学空間の網羅的マッピングは、創薬・代謝解析・環境科学などの化合物同定における解析速度と精度を大幅に向上させる。

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