HyperAIHyperAI

Command Palette

Search for a command to run...

ソフトウェア最適化がAIパレート前線を「25倍」押し広げる——NVIDIA、数週間で性能を急上昇

AIのパフォーマンス向上において、ソフトウェアの進化がハードウェアをはるかに上回る影響力を持つことが、NVIDIAの最新動向から明らかになった。2025年3月のGTCで、同社CEOの黄仁勲氏は、AI推論のスループットと応答時間のトレードオフを示す「パレート前線」曲線を用いて、性能の限界を可視化した。この曲線は、複数の変数(GPU数、並列化方式、精度など)を調整することで、最適な性能バランスを示す。 H200 GPUを搭載した8ノード構成のシステムと、B200 GPUを72基使用するラックスケール構成のBlackwellシステムを比較した結果、ソフトウェア最適化(Dynamo、TensorRT)と精度の低下(FP4)を組み合わせることで、エネルギー当たりのスループットは最大25倍(実測では約31倍)向上。特に、推論モデル(例:GPT-OSS、DeepSeek R1)では、密度型モデルと比べてエネルギー効率が11倍悪化するが、ユーザーあたりの応答速度はほぼ同等に保たれ、B200の性能優位性は40倍に達した。 NVIDIAは、SemiAnalysisのInferenceMax v1ベンチマークで、GPT-OSS 120B、DeepSeek R1-0528、Llama 3.3 70B Instructの3モデルを対象に、ソフトウェア最適化の急速な進化を実証。8月から9月にかけて、パレート前線がほぼ2倍に拡大。その後、10月3日にはNVSwitchのデータアクセス並列化、10月9日には「マルチトークン予測(推測実行)」の導入により、最大ユーザー応答速度が1,000トークン/秒/ユーザーに達し、100 TPS付近のスループットは5倍に。 従来、ソフトウェアによる性能向上は2年を要したが、AI推論の分野では数週間で実現可能に。これは、ソフトウェアがハードウェアの進化を上回るスピードでパフォーマンスを押し上げている証拠。NVIDIAの社内では、20%の従業員がハードウェア、80%がソフトウェアに従事し、全体の60%の性能向上をソフトウェアが担っている。 このように、AIの進化は「ハードウェアの進化」ではなく、「ソフトウェアの最適化」によって大きく動いている。最新の技術動向をリアルタイムで把握し、ソフトウェアを継続的にチューニングすることが、企業の競争力に直結する時代が到来している。

関連リンク