AIでガドリニウム投与量を低減、Subtle MedicalとBayerが臨床試験で有意な成果を報告
Subtle Medicalは、医療用AI画像処理技術の開発で世界的に知られる企業として、バイエル社との共同で実施した概念実証(POC)研究でポジティブな結果を発表した。この研究は、脳の造影MRI(CE-MRI)においてガドリニウム造影剤の投与量を低減しつつ、診断品質を維持するAI技術「SubtleGAD™」の有効性を検証するもので、米国5か所の主要医療機関(メイオクリニック、MDアンダーソンがんセンター、OSFステューファンス病院ペオリア、マサチューセッツ大学、ペンシルベニア州立大学)で実施された。対象は39例の患者で、まず標準的な全量のガドリニウム造影剤を投与した基準画像を取得した後、低用量の造影剤を投与し、その画像をSubtle Medicalの深層学習アルゴリズムで処理して「合成全量画像」を生成。その結果、病変の可視化に関する評価項目(造影強調、境界の明瞭さ、内部構造)において、低用量から生成されたAI画像と標準画像に有意な差は見られず、診断品質が維持されていることが示された。 Subtle Medicalのチーフプロダクトオフィサー、アジット・シャンカランアラヤナン氏は、「この研究は、診断品質を損なわずにガドリニウム投与量を削減する可能性を裏付ける重要な一歩」と語り、患者にとっての造影剤曝露リスク低減、放射線科医にとっての診断信頼性の維持に貢献すると強調した。バイエル社は、この成果を受けて今後の臨床開発フェーズへの継続協力を決定。今後はさらなる臨床研究を通じて、SubtleGAD™の実用化に向けたデータを蓄積する予定だ。 この取り組みは、Subtle Medicalが既に米国FDA承認やCEマーク取得済みのAI画像強化ソリューション「Subtle-ELITE™」(SubtleHD™、SubtleSYNTH™、SubtleALIGN™)や「SubtlePET™」を世界1000台以上のMRI装置に導入している背景に位置づけられる。バイエル社の造影剤分野でのリーダーシップと連携することで、患者の安全、画像品質、検査効率の向上を目指す医療業界の潮流を反映している。
