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ChatGPTが素粒子物理学の難問を解明、グルーオン相互作用の新理論を提示

AIが素粒子物理学の難問を解明した。ChatGPTが、長年にわたって「不可能」とされてきたグルーオンの相互作用が実際に起こり得ることを示した。この成果は、米国科学アカデミー(AAAS)の年次会議で発表され、物理学者たちの間で大きな注目を集めた。グルーオンは、クォークを陽子や中性子に束縛する強い力の媒介粒子で、その理論は極めて複雑で、長年計算が困難とされてきた。 かつて物理学者たちは、グルーオン同士の衝突において、少なくとも2つの粒子が負のヘリシティ(スピンの向き)を持つ必要があると信じていた。1つだけ負のヘリシティを持つ場合、その相互作用の確率(散乱振幅)はゼロになるとされてきた。しかし、約1年前、3人の理論物理学者が、すべての粒子がほぼ同じ方向に進む場合に、単一の負ヘリシティグルーオンでも相互作用が可能になるという理論的突破口を発見した。その後、計算の複雑さに直面し、数か月にわたる手計算でも進展が得られなかった。 このとき、 Vanderbilt大学の理論物理学者アレクサンドル・ルプサスカ氏が、OpenAI for Scienceチームに加わり、ChatGPTの科学能力向上に携わっていた。彼はかつての指導教員であるアンドリュー・ストロミンガー氏と連携し、この問題をAIに挑戦させることを決定。当初は「うまくいかないだろう」と思いつつも、最新の公開モデル「ChatGPT-5.2 Pro」に、4個のグルーオンの散乱振幅を簡略化するよう依頼。わずか20分で、32項の複雑な式を数項の積にまで短縮。5個、6個のケースにも同様に成功。最終的に「任意の数のグルーオンに対して成り立つ一般化式」を、1〜2分で提示した。 研究チームは当初、AIの「妄想」(ハルシネーション)を懸念したが、結果を検証したところ、誤りは見つからなかった。ストロミンガー氏は「機械が生き物のように感じられた」と語る。その後、OpenAIが開発中の内部モデル「SuperChat」にこの式を投入。12時間の処理の末、人間が確認できる形式の厳密な証明が得られた。 この成果は2月12日にarXivに掲載され、SNSで話題に。13日の会議での発表では、聴衆が驚愕した。物理学者たちは、AIが研究の「日常業務」を補助するだけでなく、理論の構築や新たな発見の手助けになる可能性を認めつつも、AIの不正使用や研究者育成への影響には懸念を示している。しかし、AIが研究者を置き換えるとは考えていない。 ルプサスカ氏は、今後は重力子(重力を媒介する仮説的な粒子)を対象に、量子力学と一般相対性理論の統合を目指す。AIが「理論物理学のパラダイム転換」を引き起こす可能性が、今まさに現実のものになりつつある。

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