元メタ幹部がAIバブルの修正リスクを警告
元メタ(旧フェイスブック)のグローバルアフェアーズ社長を務めたニック・クリッグ氏が、人工知能(AI)分野に「バブル」の兆しがあると警鐘を鳴らした。クリッグ氏は、AI開発に巨額の資金が投じられ、企業間の合併・買収が毎日、あるいは毎時のように行われている状況について、「これは明らかにバブルの特徴を持つ」と指摘。2022年にメタから退任した同氏は、現在58歳で、2010年から2015年まで英国副首相を務めた経歴を持つ。その後、2018年にメタに入社し、2022年に同社のグローバルアフェアーズ社長に昇格。2024年1月に退任した。 クリッグ氏はCNBCのインタビューで、「AI分野への投資は信じられないほど高騰しており、このままでは修正(バブル崩壊)の可能性が高い」と語った。AI技術にはまだ根本的な限界があり、確率論に基づく現行のモデルが「超知能」を実現するには不十分だと指摘。また、データセンター建設などに巨額の投資をした企業は、その費用を回収できる持続可能なビジネスモデルを確立しなければならないと強調した。 一方で、クリッグ氏はAI技術自体が消えるわけではないとし、AIインフラは他の分野でも活用可能だと述べ、技術の進化と社会への影響は避けられないとの見解を示した。しかし、市場全体が一括で「バブル」と断定するのではなく、個々のプロジェクトや企業の実力と生産性を個別に評価すべきだと述べた。 この発言に対し、元グーグルCEOのエリック・シュミット氏は「これはバブルではなく、新しい産業構造の始まり」として否定。JPMorganのジェイミー・ダイモンCEOも「一部の分野がバブルの可能性はあるが、全体としてAIは実績を上げる」とし、個別評価の重要性を強調した。AIへの投資は依然として急速に進むが、技術の限界と経済的持続可能性の両面から、冷静な見方が求められている。
