AI解析で冠動脈CTのリスク予測精度を飛躍的に向上——Cleerly、ESC2025で画期的成果を発表
Cleerlyは、2025年8月29日から9月1日までスペイン・マドリードで開催された欧州心臓学会(ESC)Congressにおいて、AIを活用した冠動脈CT評価の臨床的意義を示す画期的な研究結果を発表した。同社は、CONFIRM2登録研究のデータを基にしたLate-Breaking研究を発表し、AIによる定量的冠動脈CT(AI-QCT)が従来の定性的評価法に比べ、重大な心血管イベント(MACE)の予測精度を顕著に向上させることを実証した。 CONFIRM2は、世界30,000人を対象とした多施設国際観察研究で、現在8,000人以上が登録されている。今回の分析では、症状を呈する患者群のうち、手動で評価されたCAD-RADS 2.0および冠動脈カルシウムスコア(CAC)が得られたサブセットを対象に、AI-QCTによるプラーク負荷、形態、構成、血管腔狭窄の定量評価を実施。さらに、狭窄径の定量値と非石灰化プラーク体積を用いた予測モデルを構築した結果、従来の臨床指標(CAD-RADS、CAC、DUKE CADインデックス)を組み合わせたモデルよりも、リスク分類の精度が顕著に向上した。 研究を主導したラドボウ大学医学センターのイブラヒム・ダナド医師は、「今や、MACEリスクをこれまで以上に正確に特定できる段階に達した」と強調。同研究の発表者であるライデン大学医学センターのアレクサンダー・ヴァンローゼンダール医師も、「AI-QCTによるプラーク負荷の定量評価は、軽度~中等度の病変を持つ患者において、従来のCT評価では見逃されがちな重要な情報を明らかにする」と指摘。これは、臨床現場で最も多く見られる症例群に大きな意義を持つ。 さらに、Cleerlyは、狭窄評価の精度向上、患者集団における診断性能、性差に基づくプラーク評価の違いに関する5件の追加研究を発表。AI技術が心疾患のリスク評価に与える包括的な影響を裏付けている。 Cleerlyは、AIを活用した非侵襲的CT画像解析により、冠動脈疾患の包括的病態解析を可能とし、心筋梗塞の予防を社会的ミッションとして掲げる。同社の技術は米国FDA承認を取得しており、4万人以上の患者データを基にした科学的根拠に基づく。今後、AIを活用した心疾患診断の新たな基準として、医療現場への定着が期待される。
