ティキング・マシーン、初のオープンAI「インクリング」公開
Thinking Machines Labは、元OpenAI CTOのMira Murati氏が設立した同社初の独自AIモデル「Inkling」を公開した。オープンウェイト形式を採用し、外部企業がダウンロードして改変可能。アーキテクチャはMixture-of-Experts方式で、総パラメータ9750億に対し推論時には約410億のみを動的に使用。マルチモーダル学習データ45兆トークンでネイティブ推論を可能にする。 本モデルは企業向けカスタマイズ基盤として設計された。不確実性の明示や推論コスト調整機能を備え、特定ベンチマークでは効率的なコード生成性能を発揮する。同社は最上位性能より、組織が自社データで微調整し業務知見を最適化できる基盤提供を重視する。 この戦略はAI利用動向の変化を反映する。マイクロソフトやHugging Face関係者は、企業データを外部モデルに組み込むリスクや業務用プライベートモデルの台頭を指摘。Thinking Machinesの顧客事例では、金融専門データでファインチューニングしたモデルがトッププロプライエタリモデルを上回る性能を発揮しながら運用コストを大幅削減した。 開発は約9ヶ月で完了し、NvidiaのGB300 NVL72システムで学習された。初期データ生成には他社モデルを活用した一方、次期モデルでは完全な自社基盤へ移行する。収益モデルはAPI課金ではなく、カスタマイズプラットフォームTinkerを通じたファインチューニング支援とホスティングエコシステムに依存する。従業員数は約200人に安定し、創業者依存を避ける組織文化が定着している。Inklingの公開は、画一型モデルから組織主導型カスタマイズへの業界転換を象徴する事例として注目されている。
