経営層のAI導入率が従業員を大幅に上回る 調査で明らかに
HRソフトウェア企業のDayforceが実施したグローバル調査によると、企業の経営幹部は従業員よりもAIの導入を大幅に進めており、職位ごとのAI活用の格差が顕著である。対象は米国、英国、オーストラリア、カナダ、ドイツ、ニュージーランドの18歳以上の約7,000名の従業員。調査期間は7月22日から8月6日まで。その結果、経営幹部の87%が業務でAIを利用しているのに対し、マネージャーは57%、一般従業員は27%にとどまっている。また、AIの活用率はGen Z(Z世代)の従業員よりも経営幹部の方が45%高いという結果も出た。 この差は職場内外にまで及んでおり、経営幹部の85%が個人生活でもAIを利用しているのに対し、一般従業員は49%にとどまる。つまり、組織のトップは日常的にAIを試している一方、現場の働き手はその導入に遅れをとっている状況だ。 こうした格差は、企業内での対立を生んでいる。たとえば、ビデオゲーム会社のエレクトロニック・アーツ(EA)では、経営陣が全従業員にAIを業務に活用するよう強く推奨しているが、一部の従業員からは「AIが誤ったコードを生成する」「創造性を重視する職種がAIの学習素材として使われ、将来の雇用が脅かされる」との懸念が相次いでいる。 さらに、調査では経営幹部の多くが「AIの影響を事前に知っていたら、別のキャリアを選んでいた」と回答。この結果は、経営陣がAIを急いで導入する背景に、自身の職務やキャリアに対する不安がある可能性を示唆している。 Dayforceは、経営陣がAIを過去のどの技術革新よりも急速に導入している一方で、現場の従業員が追いついていない現状を「危険な格差」と指摘。投資の成果を得るためには、マネージャーや一般従業員を巻き込み、適切な教育と戦略的な活用事例の共有が不可欠だと結論づけている。
