OpenAIがマスク氏の訴訟に反論、AGIの後継者問題を暴露
OpenAIがエロン・マスク氏との法的対立を背景に、公式ブログを通じて反論を展開した。同社は6日、『エロンが語らなかった真実』というタイトルの投稿を公開し、マスク氏がかつて同社の全権管理を求めていたこと、さらには人工一般知能(AGI)を自身の子供たちに引き渡す可能性について議論していたことを明かした。この発表は、4月に予定される陪審員裁判を前に、世論の支持を獲得する戦略の一環とみられる。 マスク氏は、最近公開された裁判文書を根拠に自身のSNS「X」でOpenAIを批判していたが、同社はその内容を補足・反論する形で、複数の裁判文書の抜粋を掲載。特に、マスク氏が非営利組織としてのOpenAI運営に不満を抱いており、過去に権限を失った経験から「完全な支配権」を求めていた点を強調した。また、後継者計画の場面で、AGIの管理を自身の子供たちに任せることを検討していたとの記録も提示した。 この主張は、マスク氏が提訴する根拠である「OpenAIが非営利の使命から逸脱した」という主張に対抗するものだ。マスク氏は2015年の設立当初、同社に3800万ドルを寄付し、非営利組織としての運営を支持していた。しかし、OpenAIは2025年10月に非営利主体を維持しつつ、実務を遂行する営利法人(B社)を設立し、最終的に「公共利益を目的とする株式会社(public benefit corporation)」へと移行した。 一方、マスク氏側の証拠として、同社の副社長グレッグ・ブロッコマン氏が記した日記の一部が公開された。その中には、「非営利へのコミットメントを表明できない。3か月後にB社に移行すれば、それは嘘になる」との記述があり、同社が当初の非営利志向を裏切る可能性を内省していたことが示された。この日記は、連邦裁判所のイーヨン・ゴンザレス・ロジャース判事も引用し、マスク氏の訴訟が成立する十分な根拠があると判断した。 OpenAIとマスク氏の双方は、現時点でコメントを控えている。今後、裁判で双方の主張がどのように対峙するかが、AI企業の使命とリーダーシップのあり方を問う重要な局面となる。
