新AIで網膜疾患診断を迅速化
ワシントン大学医学部、ワシントン大学、ジェンテック社の共同チームは、網膜疾患診断を支援するAI「OCTCube-M」を開発し『Nature Biomedical Engineering』に発表した。OCT画像の膨大な3次元データを自動処理し、診断負担軽減と精密診断を目的としている。 2万6000以上の3次元OCT画像約162万枚を学習させたモデルは、従来比で精度を約4~6ポイント向上させた。加齢黄斑変性症を含む8疾患の識別能力を高め、1000人当たり最大60症例の追加発見を実現した。さらに赤外線と自己蛍光画像を統合し、重症黄斑変性症である地理的萎縮の進行予測精度を現行モデル比約50%向上させた。 網膜画像のみから心筋梗塞、脳卒中、腎不全などの全身リスクを推定できる点も特筆すべき成果だ。網膜血管は全身血管系と構造が共通しており、AIが血管障害の兆候を検出することで、眼底検査を全身疾患スクリーニングツールへ展開できる。 研究責任者のアロン・リー教授は、本技術が診断迅速化と治療個別化を促進すると評価する。特に進行予測の高精度化により臨床試験の効率化を図り、新薬開発の加速に寄与すると期待されている。今後はデータ規模の拡大と多様な画像への適応を進め、実用化を推進する。
