深層学習モデルが医薬品相互作用の高精度・大規模予測を可能に
全羅北国立大学のヒラル・タイヤラ准教授らが率いる研究チームは、未见の薬剤間の相互作用を高精度かつ効率的に予測できる軽量な深層学習モデル「DDINet」を開発しました。多剤併用は慢性疾患の治療には不可欠ですが、薬剤間の相互作用(DDI)により治療効果が減弱したり、重篤な副作用を引き起こしたりするリスクが高まります。既存の深層学習モデルは計算リソースを多く消費し、未知の薬剤に対する汎用性に欠けるため、実際の臨床現場での応用には課題がありました。DDINet は、5 層の全結合層と薬物の分子フィンガープリントを入力として利用するシンプルなアーキテクチャを備えており、複雑なグラフベースモデルに比べて必要な計算能力を大幅に削減しつつ、新規薬剤の相互作用発生有無とその生物学的効果の両方を同時に予測します。研究チームは DrugBank データベースから構築した大規模データセットを用いて評価を行い、薬剤の重複を厳密に制限した 3 つの評価シナリオを実施しました。特に、両方の薬剤が学習データに含まれていない現実的な臨床環境を模倣したシナリオ 3 において、DDINet は既存のモデルを上回る安定した性能を示しました。このモデルは過学習を防ぐ設計となっており、二元分類と多クラス分類の両タスクで優れた結果を記録しています。開発者らは、DDINet のコンパクトで効率的な構造が、病院システム、創薬プロセス、薬剤警戒システムへの大規模導入を可能にすると述べています。この技術の導入は、薬剤開発の加速と、多剤併用患者の安全性向上に大きく貢献することが期待されています。研究成果は専門誌『Knowledge-Based Systems』に掲載されました。
