17年分の月面データを学習したオープンAIモデル公開
NASAとIBMリサーチは、月面探査用のオープンソース基盤モデル「NASA-IBM Lunar Foundation Model」を公開した。本モデルは過去17年間の月探査機LROをはじめとする多機種の観測データ約200万枚を学習しており、月面解析の効率化を目的とする。ファウンデーションモデルのアプローチを採用し、従来の個別アルゴリズム構築から解放され、少量データでクレーターのマッピング、不規則月海丘の同定、極域水氷の推定などに迅速に適用可能だ。ベンチマーク評価では既存モデルを凌駕する性能を示し、特に水氷分布の精度が優れている。 開発はNASAのマ歇尔宇宙飛行センターを中核に、ゴダード宇宙飛行センター、エ姆斯研究センター、および複数の学術機関が連携して進めた。モデルとソースコードはそれぞれHugging FaceとGitHubで公開され、学習データセットやベンチマーク、オープンソースツールキット「TerraTorch」との統合も提供されている。これにより国内外の研究者が再現性のある検証を容易に行える環境が整った。 同モデルはNASAの科学データ活用戦略「AI for Science」の主要成果であり、ペタバイト級の観測データから科学的知見を自動抽出する基盤として機能する。月面資源の評価や探査経路の最適化に直結する技術革新であり、今後の国際的な月探査活動の科学基盤を強化するものと期待される。
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