超コンピュータ研究者がAIハードウェア進化を記録
MITリンカーン研究所スーパーコンピューティングセンターは、2018年からAIアクセラレータ動向を追跡するLincoln AI Computing Survey(LAICS)を実施し、このほど第6弾論文を発表した。同調査は深層学習や機械学習の高速化を担う専用ハードウェアの進化を体系的に把握し、米政府機関や研究機関向けに中立な技術助言を提供する。 調査はアルバート・ロイター氏らが率い、研究所の複数部門と連携して進める。学術論文や商業発表が相次ぎ、政府スポンサーから技術照会が殺到したことが発足理由だ。対象機は57から120以上に拡大し、ピーク性能と最大消費電力を主要指標にチップ、カード、システム別に分類・比較する。データは公的ソースを基に収集し、企業非公表情報を補完するため日常的な業界動向監視を徹底する。 現行ハードウェアはCPU、GPU、ASIC、FPGA、データフロー型など多様化し、用途に応じた柔軟性や演算効率で性能が分かれる。2022年の分析では、性能向上がトランジスタの微細化と低精度演算の普及に起因することを解明した。最新論文では、コア数増加や並列構造最適化といったアーキテクチャ設計選択がシステム全体に与える影響を評価した。ロイター氏は、年間5~10社の新規スタートアップが参入し、市場が飽和しないままイノベーションが継続している現状を指摘する。 LAICSの知見は政府の調達・研究判断支援に加え、次世代計算基盤向けハードウェア選定にも直接活用される。同センターはAIハードウェア動向の長期的監視を制度化し、技術的中立性を保った評価を通じて国防と科学技術の競争力維持に貢献する方針だ。調査レポートおよびデータセットは公的機関で公開されている。
