電子カルテと多面的な分子データを融合、生物学的年齢の予測精度を劇的に向上させる新たな指標「OMICmAge」が発表される
グラスゴー大学を含む国際共同研究チームが、電子カルテと多面的なオミクスデータ(遺伝子発現、タンパク質、代謝物など)を統合した新しい「生物学的年齢」推定モデル「OMICmAge」の開発に成功しました。この研究成果は、ハーバード大学が主導し、雑誌『ネイチャー・エイジング』に掲載されています。 生物学的年齢は、単なる実年齢とは異なり、体内に蓄積した生理学的変化を反映する指標です。個人によってその値は大きく変動します。本研究では、大規模な人口調査コホートから得た分子レベルの多様なデータを組み合わせ、従来の単一のオミクス指標や実年齢を凌駕する精度で健康状態を予測するモデルを構築しました。 解析の結果、OMICmAgeは身体機能や認知機能の低下、心血管疾患や糖尿病のリスクなど、多岐にわたる健康アウトカムの予測において、既存の手法よりも優れた性能を示しました。グラスゴー大学医薬・生命科学研究所のニコラス・ラトライ教授は、この統合アプローチが「生物学的年齢と疾患の関連性に関する理解を根本から変える可能性を秘めている」と述べています。分子データと電子健康記録を融合させることで、個人の健康状態をより正確に把握し、経時的な変化を追跡することが可能になります。 今後は、臨床現場での実用性を検証する研究が計画されています。また、このモデルはライフスタイルの改善、薬物療法、環境変化が生物学的老化に与える影響を評価し、疾患リスクの低減や健康寿命の延伸につながる介入策を特定する強力なプラットフォームとしても期待されています。
