AI会計Rillet、48時間で1億ドル調達しユニコーンに
AI会計プラットフォームの開発を手掛けるスタートアップRilletが、わずか48時間以内に1億米ドル規模の資金調達に成功し、企業価値10億米ドルを達成してユニコーン企業に成長した。共同創業者兼CEOのニコラス・クープ氏によれば、今回の調達意図は社内にはなく、直前の取締役会での成長実績に基づき投資家側から迅速に引き受けられたものという。Rilletは2年前にサービスを開始し、これまで総額2億米ドルをICONIQ、アンドリーセン・ホロウィッツ、シーカンファシーなどの主要VCから調達済みだ。シリーズB(昨年夏、7000万米ドル)からの累計資金はさらに拡大した。 同社の急成長には、米国で深刻化する会計人材不足と、レガシーERPからの移行需要が背景にある。現在600社以上の顧客を抱え、その半数はIntuit、30%はNetSuiteやSage Intacct、残りはOracleやSAP系から移行している。直近の四半期では年間売上高が倍増し、EYとの連携による監査支援ツールのAI化も進めている。シーカンファシーのJulien Bek氏は、会計を起点としたエージェント型財務がAI時代の主要アプリケーション分野になると評価し、再投資を容易な判断だったと明かしている。 Rilletの技術戦略はAIエージェントと人間の協業による財務機能の再構築にある。マルチステップのワークフローをサポートし、顧客データの完全分離とモデルルーター機能でセキュリティを担保する。また、AIの判断プロセスと数値計算履歴を人間が監査可能なガバナンス機能を搭載し、透明性確保に対応した。クープ氏は、AIによる大量の職種の置き換えは起きず、定型業務の自動化で会計士が分析業務に集中できると指摘。米労働統計局の予測通り、2034年までに会計関連雇用は5%増加すると見込んでいる。規制面でも、クラウド普及時と同様にAI関連ルールは技術成熟に伴って整備されると展望。Rilletは今後、財務自動化と人材不足の解消を両立させるプラットフォームとして、業界標準の再編を推進していく。
