Valorem Reply、Microsoft、ITFが提携し、ビリー・ジーン・キングカップにリアルタイムAI分析を導入
Valorem Reply、Microsoft、および国際テニス連盟(ITF)は、世界最大の女子チームテニストーナメントである「ビルリ・ジーン・キングカップ by Gainbridge」に向け、AI駆動のリアルタイム分析アプリ「Match Insights」を開発した。このアプリは、高精度なカメラとフィールド内センサーから得られるライブデータを、Microsoft Azureのデータ・AIサービスを活用してリアルタイムで処理し、選手とコーチが即座に戦術を調整できるインサイトを提供する。特に、コーチングを許可する少数の国際大会である同大会では、サービスの反応時間やボールの配置といった微細な差が試合の行方に影響するため、リアルタイムなデータ分析が極めて重要となる。 Match Insightsは、Azure Databricks、Data Lake、SQL Databaseを基盤としてデータの収集・変換・保存を実現。AIによる分析結果は、Microsoft Copilotとの連携により自然言語で問い合わせ可能で、コーチは「この選手のサービスフォルト率は前半より20%上昇しています」といった具体的な指摘を即座に得られる。セキュリティと監視はAzure Active DirectoryとAzure Monitorで管理され、CI/CDパイプラインにより大会中も継続的なアップデートが可能。実行環境はMicrosoft Surface端末に搭載され、コート内だけでなく、更衣室や遠隔地からのアクセスも可能で、移動性と信頼性を両立。 ITFの科学技術責任者ジャミー・キャペル=デイヴィス氏は「このソリューションは、試合中にデータへのほぼ即時アクセスを可能にする上で不可欠だ。コーチと選手に、試合の流れを実際に変える情報を提供できる」と強調。開発の背景には、従来の試合後分析では遅れが生じ、戦術調整に活かしづらかったという課題がある。Match Insightsは、前日準備におけるスカウティング、戦術パターンの自動識別、試合後のAI分析データベースの構築も可能にし、長期的な戦略立案とトレーニング改善を支援する。 2025年には146カ国が参加する記録的な規模を迎えるビルリ・ジーン・キングカップは、女子スポーツの国際的舞台としての重要性が増している。同大会を運営する「Billie Jean King Cup Limited」は、ITFとTWG Globalの提携により、スポーツの革新と社会的変化のプラットフォームとしての価値を高めることを目指している。Valorem Replyは、Replyグループ傘下のMicrosoftクラウド・ソリューション専門企業として、AIとクラウド技術を活用した業務革新を推進しており、本プロジェクトはその実績の一つとして注目されている。 この取り組みは、スポーツにおけるデジタルトランスフォーメーションの新たな指針となりつつある。リアルタイム分析が試合の結果だけでなく、選手育成や戦術研究の質を根本から変える可能性を示しており、今後のスポーツ技術の進化に大きな影響を与えると期待されている。
