TDK Ventures、ミックステクノロジーズに投資しAI用光インターコネクト技術の実用化を加速
TDK Corporationの子会社であるTDK Venturesは、米カリフォルニア州サンノゼに拠点を置く次世代光通信技術企業、Mixx Technologiesに投資を決定した。この投資は、同社が開発する「HBxIO™光学エンジン」を基盤とする次世代AI・ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向け接続基盤の実用化を加速するもので、AIのさらなる発展を阻むデータ伝送のボトルネックを解消する狙いがある。Mixx Technologiesは、システムレベルで設計された「コパッケージドオプティクス(CPO)」技術を採用し、ラックからチップまでを統合的に接続するアーキテクチャを実現。これにより、従来のスイッチを介さないGPUクラスタを実現し、AI推論ワークロードにおける並列処理性能を飛躍的に向上させている。 今回の投資は、ICM HPQC Fundが主導する3300万ドルのシリーズAラウンドにTDK Venturesが参加した形で実施され、SystemIQ CapitalやApplied Venturesなども参加。資金調達は過剰応募となり、市場のMixxの技術に対する高い信頼を示している。TDK Venturesのサヴァージ社長は、「Mixxの技術は単なる製品の進化ではなく、AIコンピューティングエコシステム全体の進化を促す深技術革新」と評価。特に「超高ルーティング数(ultra-high radix)」を実現する光学エンジンが、物理とデジタルの境界を越えた次世代AIクラスタの実現を可能にすると強調した。 Mixx Technologiesは、BroadcomのCPOチーム出身のヴェーヴク・ラグハラマンCEOとリベカ・K・シャエヴィッツ博士(CPO)が共同創業。両氏はIntel、Corning、Rockley Photonicsなどでの長年の経験を持ち、複数の次世代接続技術を量産段階まで導入した実績を持つ。同社の目標は、「単位電力・単位金額あたりの性能を最大化し、持続可能なコンピューティング接続を実現すること」。オープンスタンダードに基づく包括的なシステム変革により、データ移動の効率性と信頼性を高め、AIの今後の成長を支える基盤を構築する。 TDK Venturesは2019年に設立され、素材科学、エネルギー・電力分野の革新的技術に注力。TDKグループのグローバルネットワークと技術力で、ポートフォリオ企業を支援する体制を整えている。TDK自身は、90年以上にわたり電子技術の先端を牽引し、スマートフォン、EV、IoT、AIソリューションなど幅広い分野でグローバルな影響力を持つ。2025年度の売上は144億ドル、従業員は世界で約10.5万人。AI基盤技術の強化を戦略的柱の一つとして、今後も技術革新の推進を加速する。
