米マイクロソフト、AI実装組織へ25億ドル・6千人を投入
マイクロソフトは先週、企業顧客向けに人工知能(AI)の導入支援を専門とする新部門「Microsoft Frontier Co.」の設立を発表した。同社はこの取り組みに25億ドルを投資し、エンジニアリング、コンサルティング、サポート、営業の各部門から6,000人を抽出してクライアント企業に常駐させる「フォワード・ディプロイド・エンジニアリング(FDE)」体制を構築する。同部門の統括にはアジア事業を率いてきたロドリゴ・ケデ・リマ氏が任命された。 この戦略的動きは、Amazonが10億ドル規模の類似プログラムを発表した直後であり、AnthropicやOpenAIも既に専門部隊を設けている業界動向に沿ったものだ。同社のAI事業はMicrosoft 365 CopilotやGitHub Copilotの普及において課題を抱え、株式市場での評価が低迷する中、FDEによる直接的な顧客接点強化が業績回復の柱となる見通しだ。商業事業のJudson AlthoffCEOは、顧客のAI成熟度やモデル選定が多様である現状を踏まえ、知的財産を保護しつつエコシステム内の任意のモデルに対応できる知能プラットフォームの構築を優先すると説明した。 Althoff氏は、Palantirが軍事・公共分野で実証したFDEモデルを参考にしたと述べ、体系的な顧客サポートを通じて実務レベルのAI統合を促進する方針を示した。同社は本年3月四半期にエンタープライズおよびパートナーサービスで21億ドルの収益を記録し、前年比2.5%増となっている。アクセンチュアとEYといったグローバルコンサルティングファームともAI支援で提携を強化しており、マイクロソフトはエンタープライズ市場におけるAI実装の標準化と収益基盤の強化を同時に推進している。
