ウーバー、社内業務再設計にAIトップエンジニアを配置
ウーバーは、社内各部署への優秀なAIエンジニアの直接派遣による業務革新プログラム「Agentic Pods」の本格稼働を開始した。同社CTOのPraveen Neppalli Naga氏が主導する本施策では、AI開発の最前線で実績を積んだエンジニアを財務、法務、マーケティング、カスタマーサポート、人事、調達などの部門に2週間単位で配置。現行の業務フローを詳細にヒアリング・観察した上で、AIを活用したツールを迅速に構築・検証する。 同氏の発表によれば、このアプローチは既存プロセスの単純な高速化にとどまらず、承認階層の撤廃やレガシーシステムの置き換えなど、業務そのものの再設計を中核に据えている。その成果は顕著であり、財務計画のプロセスは従来15時間だったのが30分に短縮され、財務レポートの作成は2日間で10分へ、マーケティングの品質チェックでは2週間が1時間未満へ大幅に圧縮された。 同氏の戦略は、顧客先にAI技術を提供する「フォワードデプロイエンジニア」との類似性が指摘されているものの、企業内部のオペレーションに深く入り込み、ワークフローの根本的な再構築を目指す点に独自性がある。業界関係者の間では「リアワードデプロイエンジニア」と称されるなど、生成AIを社内生産性向上のエンジンとして活用する新たな企業モデルとして注目されている。 今年初めにAnthropicのAPI利用において2026年度の予算を早期に超過したことで注目を集めたNaga氏だが、同社はこの段階で投資規模の拡大ではなく、実務レベルでのAI定着とワークフロー最適化に重点を移した。同施策は、生成AIが企業経営にもたらすインパクトを「個々のタスクの効率化」から「組織プロセスの再構築」へ転換させる具体例として、テック業界内外から関心が集まっている。
