SpaceX初のスーパーボウル広告、Starlinkの全球ネットワークをアピール
スペースXが、エロン・マスクの企業帝国初のスーパーボウル広告を放送した。この30秒間の広告は、マスクが率いる企業がこれまで避けてきた大規模メディアイベントでの初登場であり、同社のブランド戦略に大きな転換を示している。広告は、宇宙開発と未来技術を象徴するアーサー・C・クラーク氏のスピーチ音声を基調に、ファルコン9やスターシップのブースターが着地する映像と、星間インターネットサービス「スターリンク」が極地や山間部など遠隔地で活用される様子を映し出した。広告は「どこにいても、高速で手頃な価格のインターネットを提供する」というスターリンクの使命を訴えている。 これまでマスクの企業は、広告を避けてきた。テスラは2024年の大規模リストラの際にマーケティングチームを全員解雇し、スペースXもマスクの発言やロケットの試験映像(例:スターシップのブースターの空中捕獲)で注目を集めてきた。しかし近年、X(旧Twitter)を含む複数のプラットフォームで広告を展開しており、スターリンクはT-Mobileなどとの提携で過去にスーパーボウル広告に登場していた。今回、スペースXが自社ブランドで単独広告を放送したのは、企業戦略の本格的なマーケティング転換を示すものだ。 広告1枠の費用はNBCユニバーサルの推計で800万~1000万ドル。これは、スペースXが2024年後半に予定する上場(IPO)に向けての準備を進める中での重要な一歩と見られている。同社の評価額は最大1.5兆ドルに達する可能性がある。さらに先週、マスクはスペースXを自身のAI企業「xAI」と合併する計画を発表。太陽光パネル搭載の軌道上データセンターを構築し、強力なAIモデルの学習を実現するとしている。 スターリンクの成長は、スペースXの実績の中心にある。現在、9000機以上の低軌道衛星で構成されるネットワークが155カ国でサービスを展開し、12月時点で顧客数は900万人に達している。この広告は、マスクの企業が「技術の実用化」から「ブランドの世界展開」へと転換する節目を象徴している。
