新研究がAIチャットボットのアルコール・乳がん情報に不一致を指摘
生成系AIチャットボットが提供するアルコール摂取と乳がんリスクに関する健康情報の信頼性を検証した新たな研究が注目されている。ミズーリ大学のアンバリ助教らは、米国で健康情報検索にAI活用が急増する中、アルコールとがん関連の公衆認識低減に着目し調査を実施した。研究成果はテキサス州サンアントニオで開催の第49回アルコール研究学会学術会議で発表され、学術誌Public Healthにも部分掲載された。 研究チームはWHO、CDC、全米乳がん財団の公式サイトから質問を抽出し、ChatGPTやGemini、Copilotなど22種の公開AIチャットボットに入力した。66件の生成回答からは明確な課題が浮上した。第一に、回答内容と構成がボット間で著しく不整合であり、アルコールが1988年にWHOにより第1群発がん物質と認定済みであるにもかかわらず、因果関係を「未解明」と誤解を招く表現が散見された。第二に、回答の読み易さは大学教養課程レベルに留まり、国立衛生研究所が推奨する公衆向け健康情報基準を大幅に超過していた。第三に、プロンプトの文言構造が出力精度と傾向に直結することも実証された。 アンバリ氏は、健康リテラシー、デジタルリテラシー、そしてプロンプトリテラシーは別軸であり、医療従事者はAI出力のばらつきを前提とした対応が求められたと指摘する。チャットボットは健康相談の入口として普及しているが、出力の不安定さと専門用語の濫用は一般市民の誤った健康判断を招く潜在リスクを持つ。専門家は、AI回答の検証体制整備と、ユーザー側のプロンプト設計・情報解釈スキル向上を公衆衛生対策の必須要件と位置づけている。
