Meta支援のHupo、AI販売コーチングで急成長 BFSI業界に特化した実績を発表
韓国出身の起業家、キム・ジョン氏が2022年に設立したHupoは、もともとはメンタルウェルネスをテーマにした「Ami」としてスタートした。彼はスポーツにおけるパフォーマンスの本質に興味を持ち、人間の行動変容やストレス管理の仕組みを研究。Metaの初期支援を受けながら、ソフトウェアが日常の行動に自然に溶け込むこと、そして人間の「改善」を促すツールが非難的・抽象的すぎると効果が薄れるという教訓を得た。この経験をもとに、2023年からAIを活用した「セールスコーチング」に事業を転換。金融・保険・銀行(BFSI)業界向けに、リアルタイムで会話内容を分析し、従業員に即時フィードバックを提供するプラットフォームを提供している。 キム氏は、従来のコーチングではマネージャーがすべての会話に立ち会えないこと、またトレーニングやフィードバックの質にばらつきがあることから、AIによる一貫性のある支援の必要性を認識。HupoのAIモデルは、実際の金融商品、顧客の反論パターン、規制要件などを学習済みで、業界特有の複雑な状況に適応可能。その結果、顧客の契約拡大率は平均3~8倍に達し、Prudential、AXA、HSBC、Grabなどアジア・欧州で数十社が導入。2024年には米国市場への進出を予定。 同社はDST Global Partnersが主導する1000万ドルのシリーズAを調達し、合計資金は1500万ドルに。今後はリアルタイムコーチング機能の強化、企業向け展開の拡大、チームの拡充を進める。キム氏は、5年後にはセールスコーチングにとどまらず、数万人規模のチームが効果的にパフォーマンスを発揮できる仕組みを提供することを目指している。Hupoの成功は、AI技術が業界の実情に根ざした形で導入された結果であり、技術からではなく「ビジネスの課題」からスタートしたアプローチの証である。
