元グーグル社員が立ち上げたスタートアップ、インフィニマインドが動画データの「暗黒データ」を活用するAI基盤を開発
元グーグル社員の阿座川和也(CEO)と柳田啓悟(COO)が、企業が保有する膨大な動画データを活用できるインフラを構築するスタートアップ「InfiniMind」を東京で設立した。両者はグーグルジャパンで10年間、共にブランド・データソリューションの開発に携わった経験を持つ。企業が蓄積する放送アーカイブ、店舗監視カメラ映像、制作映像などは、多くの場合、未視聴・未分析のままサーバーに眠っている。これを「ダークデータ」と呼び、その潜在的な価値を引き出すことが同社の使命だ。 2024年以降、視覚言語モデルの進化により、動画AIは単なる物体認識から、物語の流れや因果関係の理解にまで進化した。GPUコストの低下と性能向上も背景にあるが、Kai氏は「これまでのモデルは、そもそもタスクをこなせなかった」と指摘。InfiniMindは、これまでは実現が難しかった「長時間動画の構造化」「音声・音響との統合理解」「無制限の動画長さ処理」を可能にするインフラを開発。特に、200時間の映像から特定のシーンや発言者をピンポイントで抽出できる「DeepFrame」は、2026年4月の本格リリースを目指している。 同社は2025年4月に日本で初の製品「TV Pulse」をリリース。リアルタイムでテレビ番組の製品露出、ブランド登場、顧客感情、広報影響を分析し、放送局や小売企業に活用されている。現在、大手放送局や広告代理店を顧客に持つ。また、580万ドルのシード資金をUTECが主導して調達。CX2、Headline Asia、Chiba Dojo、a16z ScoutのAI研究者も参加。日本での実証実験を経て、米国への展開を加速している。 InfiniMindの強みは「コード不要」「音声・視覚の統合処理」「コスト効率」。競合の一般向けAPIとは異なり、企業向けの深層分析に特化。Kai氏は「動画理解は現実を理解する鍵であり、AGIへの道筋」と語り、技術の進化が人間の意思決定を支援することを目指すと強調している。
