CFO調査:AIへの期待は高まるも、実装に向けた基盤は遅れ続けている
RGPが発表した最新調査「AIの基盤格差:野心から実行力へ」によると、企業のAIへの期待は高まる一方で、実現に向けた準備状況には大きな格差が生じている。米国を対象にした200名のCFOを対象にした調査では、66%のCFOが2年以内にAIによる顕著な投資効果(ROI)を期待しているが、実際にその価値を実感しているのはわずか14%にとどまる。このギャップの背景には、データ信頼性の欠如(企業データを完全に信頼できると答えたのは10%)、技術的負債(86%が旧来システムがAI導入を妨げると回答)、人材不足(68%がスキルギャップを最大の課題と指摘)といった構造的課題がある。 CFOはAI導入の中心的役割を担う存在に。48%のCFOがAIの価値創出を最終責任者としている。戦略立案、投資、リスク管理、人材戦略、デジタル変革の全般にわたって影響力が拡大している。一方で、AIのガバナンスは進展しているものの、31%の企業がフレームワークが未整備または非公式な状態にある。データ基盤の脆弱さも深刻で、35%のCFOが「データ信頼性」をAIROIの最大の障壁と認識しているにもかかわらず、その基盤への投資はまだ限定的だ。 特に注目すべきは、大企業と中堅企業との間にAI実行力の差が広がっている点。100億ドル以上の企業では、データ基盤やガバナンスの成熟度、AI採用スピード、早期のROIが顕著に高く、競争上の優位性が生まれつつある。一方、中堅企業はこの差を埋めるための戦略的対応が求められている。 RGPのコンサルティングサービス部門責任者スコット・ロットマン氏は、「AIの実現には技術以上の準備が必要。データ、システム、人材の基盤を強化し、コスト中心から成果指向への指標転換が鍵」と強調。具体的な対策として、データアーキテクチャの近代化、技術的負債の削減、ガバナンス責任の明確化、クロスファンクショナルな人材戦略の構築、および予測精度や意思決定スピード、リスク低減といった成果指標の導入を提言。 2026年を展望して、CFOが積極的に変革をリードし、基盤を整える企業こそが、次世代の企業パフォーマンスを決定づけると結論づけている。AIの成功は技術の問題ではなく、経営の戦略的リーダーシップの問題である。
