テスラ、AI戦略に注目集めるもEVの収益が基盤に
テスラの第3四半期決算発表は、EV(電気自動車)の販売からAI(人工知能)への戦略転換を改めて浮き彫りにした。同社は、ロボタクシー、人型ロボット「Optimus」など、電気自動車から逸脱したAI関連プロジェクトを次々に展開しており、投資家たちの関心は徐々にEVからAIへと移っている。特に、米国政府のEV補助金終了と中国メーカーの急成長により、EV販売の難しさが顕在化。新モデル「Model 3 Standard」の発売も控えながら、市場の反応は控えめで、実績は限定的だった。 一方で、AI関連の成長期待は高まる一方、実際の収益貢献はまだ小さい。現時点でテスラの収益の柱となっているのはEV事業であり、AIプロジェクトはすべて「計画段階」にとどまっている。このギャップが、マスクCEOと経営陣にとっての大きな課題となっている。投資家に「将来の大きな成果」を信じてもらう一方で、現在のビジネスを支えるEV部門の実績をどう説明するかが問われる。 それでも、テスラ株は年初来で約100%上昇。特に9月以降は約34%上昇しており、AIへの期待感が背景にある。マスク自身も、過去の政治的発言や白宮訪問後の影響を考慮し、メディアへの露出を控えている。ただし、自身が提案した最大1兆ドル規模の報酬プランが、11月6日の株主総会で可決されるかどうかは不透明。一部のプロキシ諮問機関は「過剰すぎる」と批判しており、株主の支持獲得には、AI戦略の実績を示すことが不可欠だ。 結論として、テスラはEVからAIへの転換を進めつつも、現実の収益基盤であるEV事業の安定性を維持しつつ、AIの実現可能性を証明しなければ、投資家の信頼を得ることは難しい。
