15のAIアシスタントで運営する1人起業家のリアルな挑戦と成果
フロリダ在住の40歳の防衛技術系ソロ起業家、アーロン・スニード氏は、15のAIエージェントを活用して一人で会社を経営している。当初、法務や人事、財務などの専門職を雇う資金がなかったため、彼はAIを活用して「AI評議会(The Council)」を構築した。この評議会は、人事、法務、財務、経営幹部といった役割を果たす15のカスタムAIエージェントで構成され、週に約20時間の業務負担を軽減していると本人は語る。 スニード氏は10年以上にわたり自律型プラットフォームの開発に携わっており、大規模言語モデル(LLM)の登場に迅速に対応した。技術的プロトタイピングにはNvidiaのGPUを活用し、同社のAIソフトウェアもハードウェア購入者向けに無料提供を受けている。評議会の基盤はOpenAIのChatGPTビジネスプラットフォーム上で構築され、カスタムGPTとプロジェクトを統合して運用している。 各エージェントには異なる権限が与えられている。特に重要なのが「Chief of Staffエージェント」で、リスクや機会に基づき優先順位を決定する役割を担う。法務やセキュリティ関連の判断は、他のエージェントより優先的に処理されるように設定されている。 彼は「YESばかり言うAIは不要」とし、意図的にエージェントに反論を促すように訓練している。これにより、自分のアイデアを検証し、誤りを防ぐ仕組みを構築した。また、リクエストフォームなどの資料を共有すると、全エージェントが同時に意見を出し合う「ラウンドテーブル」を活用し、ハルシネーションや知識の空白を防いでいる。 訓練は継続的で、初期段階では訓練に2週間を要し、出力の質が不十分だった。しかし、経験を積むことでプロンプトの精度も向上し、情報の整合性やガバナンス構造を明確にすることで、AIの信頼性を高めた。 特に法務エージェントの活用を通じて、AIは事実的に正しい情報を提供しても、戦略的判断や人間の経験則を欠くため、実務では代替できないと実感した。彼は、AIは役割を代替できるが、人間の判断力は不可欠だと結論づけている。今後は、各部門に専任のAI幹部を配置するような組織構造が理想だと語っている。
