北米・南米の石油ガス企業、AIとデジタル化で効率化と脱炭素を両立
北米および南米の石油・ガス企業が、市場の変動や地政学的リスク、エネルギー転換の進展に対応するため、AIやデジタル技術を活用した事業の近代化を加速している。情報サービスグループ(ISG)が発表した「2025年 ISG Provider Lens® オイル・ガス産業 — サービスとソリューション報告書(北米・南米版)」によると、企業はコスト圧力への対応と持続可能性の両立を目指し、デジタルインテリジェンスを業務プロセスに統合している。 特に米国のシェールオイル生産企業は、AI、高度な分析、シミュレーションツールを活用して1バレルあたりのコストを削減し、掘削精度や油田管理の効率を高めている。パルミン盆地やイーグル・フォード地域では、データ駆動型モデルにより生産性を最大化。新規探査から既存資産の回収率向上へのシフトが顕著で、非生産時間の短縮と市場投入までの期間短縮も実現している。 また、全地域でクラウド導入が進み、ITとOT(オペレーショナルテクノロジー)の統合が進んでおり、上流から下流までの業務に一貫した可視性とコントロールを提供している。メキシコやアルゼンチンでは、デジタルツインや予測保全ツールが遠隔地のリスク軽減に役立っている。生成AI(GenAI)も、業務のスマート化、意思決定の高速化、予測機能の強化に活用されている。 エネルギー転換への対応も投資の中心課題。ブラジルではエタノールやバイオディーゼルのインフラを活用したバイオ燃料の拡大が進み、カナダではオイルサンド事業の排出削減を目指して炭素回収・貯留(CCS)技術への投資が増加。全地域で排出管理、温室効果ガス追跡、AIを活用した最適化技術の導入が広がり、規制強化と投資家からの持続可能性への期待に応えている。 ISGの主なアナリストであるスワディン・プラダハン氏は、「地域による戦略の違いはあるが、共通するのは、効率性の向上と脱炭素化を両立させる技術への disciplined な投資」と指摘。デジタル近代化と柔軟性の両立が競争力の鍵と強調した。 報告書では、サイバーセキュリティリスクの高まりや、AI・サステナビリティ・遠隔現場運用のスキル育成への人材投資も重要なトレンドとされている。また、Accenture、Capgemini、Deloitte、IBM、Infosys、TCS、HCLTech、LTIMindtree、Wiproが全4分野(AI・クラウド、エンタープライズアセットマネジメント、新エネルギーサービス、トランスフォーメーション・コンサルティング)でリーダーに選出された。CognizantやTech Mahindraは3分野、Birlasoft、Hitachi Digital Services、LTTS、NTT DATA、PwCは2分野でリーダーに名を連ねた。EY、KPMG、Quest Globalはそれぞれ1分野でリーダー。さらにCognizant、Cyient、Kyndryl、LTTSが「リジングスター」として評価された。
