機械学習モデル液体生検精度向上
ジョンズ・ホプキンス大学キメル癌センターは5月1日付で学術誌Clinical Cancer Researchに、液体生検の解析精度を向上させる機械学習モデル「plasmaCHORD」の開発を発表した。本モデルは血液中の細胞分裂DNA解析において、腫瘍由来の変異と白血球由来のノイズを高精度で区別し、がん標的療法の選択精度を大幅に高める。 液体生検は固形腫瘍の変異同定に広く用いられているが、加齢や治療歴に伴う白血球のクローン性造血由来変異が検出されやすく、これが臨床的判断の妨げとなっていた。研究チームは、腫瘍と白血球由来DNAの断片化パターンに差異がある点に着目し、DNA断片化プロファイル、患者年齢、変異遺伝子情報を統合したAIモデルを構築した。 乳癌、大腸癌、食道癌、卵巣癌、非小細胞肺癌の患者225名でモデルを訓練後、腫瘍細胞と白血球のシーケンシングデータで厳密に検証を行った。さらに異なるシーケンシングプラットフォームを採用する別施設から114名のデータで外部検証を実施した結果、臨床的に関与する変異の識別精度は約50%から83%へ向上した。ジョンズ・ホプキンスの分子腫瘍専門家会議での実証では、本モデルの判断が不適切な治療薬の選択回避に直接的に寄与していることが確認された。 開発陣は、標準液体生検テストへのAI適用が臨床現場で即座にスケーラブルであると評価している。今後は研究及び臨床診断への本格導入を目指し、より高精度な次世代モデルの開発を進める。本技術は液体生検の信頼性を根本から改善し、個別化がん医療の最適化に貢献する。
