米政府、Anthropicに輸出規制
ホワイトハウス、Anthropicの新AIモデル「Fable 5」および「Mythos 5」に対し国家安全保障を根拠とした輸出管理措置を発動した。措置決定までには約24時間という短期間で、関係者によると政府高官とAmodei CEO間の緊張した協議プロセスが存在した。 発端は公開リリース直後、Amazon CEOのAndy Jassy経由でホワイトハウスへ伝えられたセキュリティ懸念だった。Anthropicが安全対策を講じたと主張するモデルに対し、政府側はガードレール回避が可能との報告を受け、TreasuryのScott Bessent長官ら高官が緊急協議を行った。政府側はAmodei CEOに対し即時削除と協力要請を行ったが、Amodei氏は電話会議において該当する脆弱性は限定的であり広範囲な回避には繋がらないと反論。即時停止には応じなかった。 協議決裂後、政府は輸出管理命令を実施。これにより両モデルの提供が事実上停止された。Anthropicは政府の指示に順守しつつも、技術的事実に基づかない不透明なプロセスであり過度な措置と批判した。政府側は自主的協調を要請したが拒否されたためやむを得ず措置を講じたと説明。Anthropic側は短い猶予期間のみが提示され、脅威の詳細は開示されたと指摘した対立構造を浮き彫りにした。 本件は、急伸する生成AIのセキュリティ担保と技術展開のバランスを巡る政府と企業の摩擦を象徴する。これまでAI規制の推進を唱えてきたAnthropicは、過去にはPentagonによるサプライチェーンリスク指定を受けるなど現政権と複雑な関係にある。White House AI CzarのDavid Sacks氏は今回の措置を支持し、技術的解決策が模索できる段階と位置付けている。当局はAnthropicの脆弱性修正を前提に輸出規制の解除とモデルの再公開を検討している。今回の一連の動きは、AI輸出管理枠組みの実務プロセスにおける政府の介入指針を示すものとなり、AI業界全体のコンプライアンス対応に重大な影響を及ぼす。
