上海AIラボ、WAIC2026で科学AI共同成果を発表
上海人工智能实验室は2026年世界人工知能会議(WAIC)において、科学発見プラットフォーム「书生・端砚」を基盤とした連合イノベーション成果10件を発表した。本取り組みは、AIによる科学的研究プロセスを再構築し、失敗からの学習と長期的推論を通じて科学者の認知能力を拡張することを目的としている。 生命・医療分野では、タンパク質の機能理解と設計を統合する拡散大語言モデル「书生AMix」、複数亜型インフルエンザウイルスの共通宿主因子を同定する双模態予測モデル「ViraHInter」、単細胞データと空間トランスクリプトームを融合した心臓バーチャル細胞モデル、および「脳・躯体・環境」の閉ループを実現するデジタルシマゼニョとAI分析フレームワーク「ΣBrains-Lab」が披露された。さらに、DNA塩基配列から染色体三次元構造・機能設計までを一元的に学習する世界初の大規模ゲノムモデル「CENO」は、抗菌遺伝子スクリーニングの陽性率を約90倍に向上させるなど、実証段階での顕著な成果を示している。 地球環境・工学・産業応用においても画期的な進展が見られる。衛星・気象観測データ約10ペタバイトを統合し、従来の数値予報モデルより36時間予測で15%の精度向上を実現した大气世界モデル「Earth-o1」、航空機コンセプト設計をCFDシミュレーションと風洞実証で自動反復する空天気動知能プラットフォーム「书生・扶摇」、電気めっき材料開発をミリ秒級予測に圧縮する垂直領域AIエージェント、そしてEDAツールを自律呼び出しし設計・検証・改善をループ化するチップ設計AIエージェント群が相次いで公開された。チップ設計AIはMAC演算効率を90%向上させ、設計サイクルを半減させる実績を上げており、産業現場での即戦力化が期待される。 上海AI实验室は、AIの役割が既存業務の効率化から「仮説生成・探索空間の拡大・実験検証の自動化」へ移行しつつあると指摘する。「书生・端砚」の整備を軸に、科学データ・専門エージェント・実験設備・現実の科研課題を有機的に連携させ、AGI4S(人工知能科学技術)の推進と全球科学者の共同探求を加速していく方針だ。
