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脳オルガノイドによるスクリーニングでルイ症候群治療薬を 2 つ発見

ハイデルベルク大学とデュッセルドルフ大学、およびルクセンブルク大学の共同研究チームは、希少疾患であるルイ症候群の治療法開発に成功しました。ルイ症候群は新生児約 3 万 6 千人に 1 人の割合で発症する進行性のミトコンドリア疾患で、乳幼児期の脳障害や神経発達遅滞などを引き起こし、早期に死亡するリスクが高い現状です。患者数が少ないことや、人間に近い疾患モデルが限られることが研究の大きな障壁となってきました。 このチームは、患者由来の幹細胞から作製した脳オルガノイド(3 次元の脳組織モデル)を用いて、ルイ症候群の遺伝子変異を再現する実験モデルを開発しました。このモデルは、人間の脳組織の構造や機能、疾患の進行を忠実に模倣することが可能です。さらに、ルクセンブルク大学のアントニオ・デル・ソル教授らが開発した深層学習ベースの人工知能アルゴリズムを用いて、既存薬の再利用(ドラッグ・リポジショニング)を効率的にスクリーニングしました。その結果、2 つの有望な薬剤候補「タラロゾール」と「セタコナゾール」が特定されました。タラロゾールは元々ニキビ治療薬として、セタコナゾールは皮膚真菌症の治療薬としてそれぞれ開発・承認されている既存の薬剤です。 実験の結果、脳オルガノイドにおいてこれら 2 つの薬剤を投与すると、神経細胞の発育が促進され、細胞の成長が改善されるとともに、乳酸の放出が減少することが確認されました。これは、疾患による代謝異常の改善や、患者への投与が病状進行を抑制する可能性を示唆しています。研究チームは、脳オルガノイドの確立が希少疾患研究における大きな進展であると評価し、同アルゴリズムはルイ症候群以外の疾患にも応用可能であるとしています。今後は、これらの薬剤が実際の患者に対してどの程度の効果を持つかを確認するため、臨床試験などの追加研究が不可欠ですが、チームは前向きな見通しを示しています。

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