ロボットスタートアップ、薬製造自動化で7500万ドル調達
米国サンフランシスコのロボットスタートアップ、Multiply Labsは遺伝子治療剤やmRNA治療薬の製造自動化を目的とし、シリーズBラウンドで7500万ドルの資金調達を発表した。累計調達額は1億ドルを超えた。同ラウンドはパトリック・ソン・ション氏が設立した持株会社NantWorksがリードし、顧客企業のアストラゼネカやLux Capital、Founders Fundらが参加した。 同社のCEOフレッド・パリエッティ氏によると、複雑な医薬品の製造工程は依然として手作業が多く、生産性が低くスケーラビリティに欠ける。また人為的ミスや汚染のリスクが高く、一部の遺伝子治療剤の製造コストは投与量1回分で100万ドルを超えるという。Multiply Labsは物理的AI分野の投資動向を受け、ロボットアームと実験管を内蔵した大型製造装置を開発。これにより、生産効率とコスト削減、品質管理の同時実現を目指す。パリエッティ氏は製造コストを現在の数千万円レベルから数万円台へ引き下げる必要性を強調し、量産体制への移行を最優先課題として挙げた。 現在同装置はアストラゼネカやレジェンデバイオテックなど複数社が自社工場で運用しており、稼働機数は十数台規模と明らかにされた。収益構造は装置本体の販売に加え、消耗品である専用カートリッジや保守サポートから構成される。しかし単体製造コストは依然として数百万ドル規模であり、欧州に依存するサプライチェーンの課題も残る。今後、高額な専用設備を如何に標準化・低コスト化し、スケーラブルな医薬品製造ビジネスへ転換できるかが、同社の成長と業界再編の成否を分ける鍵となる。
