OpenAI、削除済みチャットログの保存を終了へ ニューヨーク・タイムズ訴訟で合意
OpenAIがユーザーが削除した投稿の保存を終了する。この変更は、ニューヨーク・タイムズとの法的紛争における一連の措置の終焉を意味する。2023年12月、タイムズはOpenAIが同社の著作物を無断でAIモデルの学習に使用したとして提訴。その後、複数のメディア企業が同訴訟に参加した。この訴訟の過程で、米国連邦裁判所のウアン・ワン裁判官は、OpenAIに対し、チャットログ(含む削除済みデータ)を「無期限に保持」するよう命じた。この決定は、世界中の数億人のChatGPTユーザーのプライバシーに深刻な影響を及ぼすとされ、OpenAIも「根拠のない訴訟に基づく、不必要な広範なデータ保持要求」と反発していた。 しかし、この状況は一転した。2024年5月、OpenAIとニューヨーク・タイムズが共同で提出した和解案が、ワン裁判官によって承認された。これにより、従来の無期限保持命令は解除され、OpenAIは削除済みのチャットログを実際に削除できるようになった。ただし、一部のユーザーについては「削除済みや一時的なチャット」が継続的に監視される可能性があるとされ、対象が誰かは明らかになっていない。 なお、すでに保存されたログは、訴訟の証拠として引き続きタイムズなどのメディア側に提供される。その目的は、AIが記事の内容を侵害する出力や、誤った情報を同社に帰属させるような事例を特定することにある。 今回の合意は、OpenAIとタイムズ間の法的対立の一端が収束したことを示すが、AIと著作権の問題そのものは未解決のままだ。OpenAIをはじめとする複数のAI企業が、類似の訴訟に直面しており、業界全体で法的枠組みの整備が急務となっている。生成AIの著作権問題は、今後も裁判所の判断を通じて、段階的に解明されていく見通しである。
