アンソロピック、米輸出規制でミトス停止
トランプ政権は6月12日、安全保障上の懸念を理由にAnthropicの最上位モデル「Mythos 5」および「Fable 5」への外国人アクセスを停止する輸出管理命令を発出してから2週間が経過した。Anthropicは直ちにワシントンDCへ幹部を派遣し協議を続けているが、当局との交渉は膠着しており、モデル再開の見通しは立っていない。措置の引き金となったガードレール回避手法について、セキュリティ専門家ケイティ・ムーソウリス氏は防御的セキュリティに必須の機能であり、政府対応を過剰だと批判する。通常、輸出審査には長期間を要するが、今回は事前テストで問題が指摘されなかったモデルを特定指摘をきっかけに数日で停止するという異例の対応となっている。 交渉責任者はアモダイCEOからトム・ブラウン共同創設者らへ交代したが合意は難航している。モデル停止はAnthropicの事業基盤に深刻な打撃を与えている。MythosシリーズはIPO準備における収益柱であり、SpaceXとの年間150億ドル規模の計算資源契約負担を賄うためにも商用再開は不可欠だ。主要株主のGoogleやAmazonも政権配慮からこの停滞に懸念を示している。 米国発の輸出管理強化は他社モデルへの規制波及を招き、グローバル市場での米国の主導権揺らぎを招いている。中国とのAI競争が激化する中、戦略的に矛盾する規制手法への業界内の批判が強まっている。OpenAIなど他社もモデル承認プロセスの厳格化を検討せざるを得ない状況だ。交渉の長期化はAnthropicのIPOスケジュールを不安定にし、米AI産業全体に悪影響を及ぼす恐れがある。今後の行政と企業の調整行方が注目される。
