ムスク氏「過去例なきメモリ不足」に同意
テスラのイーロン・マスクCEOとアップルのティム・クックCEOが、半導体業界の深刻なメモリ不足を共有する懸念を表明した。クック氏は先月初め、この不足を「百年に一度の洪水」と例え、過去40年間で未曾有の規模であると指摘。これに対しマスク氏はX上で同意し、「経験した中で最大級の価格上昇だ」と強調した。 需要急増の背景にあるのはAIブームの拡大だ。ハイパースケーラーやデータセンターの建設需要が急増し、メモリチップの生産能力が需給を大きく下回る状態に陥っている。その影響は消費向け電子機器に直撃し、各社がコスト増を価格転嫁せざるを得ない状況となっている。アップルは先週、MacBookやiPadなどの一部製品価格を最大300ドル値上げすると発表。Microsoftも8月1日よりXboxの価格を100〜150ドル引き上げる方針を示した。 解決策としてマスク氏は「需要に対して生産ギャップが異常に大きく、大幅な増産が不可欠だ」と指摘。同氏は自身の企業にとってメモリ不足がAI開発のボトルネックになり得ると警鐘を鳴らしており、今年1月の決算会見では「AIロジックよりもメモリ供給が供給制限の要因になり得る」と述べている。この課題への対応策として、テスラはSpaceXやインテルと共同で数十億ドル規模のTerafab計画を進めている。論理演算、メモリ、先進パッケージングを同一施設で統合する半導体生産拠点の構築を目指すものである。業界全体として、AI需要の長期化を見据えたサプライチェーン強化と増産体制の構築が急務となっている。
