SpaceXがグロック開発にトップエンジニア転属
エルロン・マスク氏をCEOに迎えるスペースXは、AI開発体制の抜本強化を発表した。同社が現在運用を進める衛星通信スターリンクと有人宇宙船スターシップのトップエンジニア約数十名をAI分野に転換し、独自開発のチャットボットGrokの刷新を加速させている。マスク氏は自身の情報発信プラットフォームへの投稿で、今年中にゼロからの新規モデルを毎月リリースするスケジュールを維持すると明かした。また、今月AIコーディング支援ツールのCursorを600億ドルで買収したことに伴い、同社の技術陣や学習データもGrokの基盤モデル構築に統合されている。 2023年に設立されたAI専門企業xAIは今年初めに大規模な再編を実施し、組織の建て直しを進めていた。今年2月にスペースXと合併した後、今回のCursor買収により、スペースXが保有する超高性能コンピューティング資源をAI訓練に投入する統合体制が完成した。最新のGrok 4.5は現在、TeslaとスペースXの内部で限定ベータテスト中で、コード生成能力など競合他社に対する遅れを取り戻す狙いだ。 マスク氏はスペースXの過去最大の850億ドル規模IPOで得た資金を基に、最大100万基規模の軌道データセンター網を宇宙に構築する計画を進めている。スターシップの打上げ能力とスターリンクの通信インフラを活用し、次世代AIモデルの学習と推論を担う同ネットワークは、スペースXの投資家向け資料によれば、総潜在市場TAMの約28兆5000億ドルの中でAI関連部分が26兆5000億ドルを占めると試算されている。エンジニアリング資源の集中配分と資本強化を背景に、スペースXのAI戦略は本格展開フェーズへ移行している。
