新AI画像技術、サンゴ礁の変化を鮮明に可視化
米国マイアミ大学ローゼンシュティール海洋大気地球科学大学航空地球観測センター(ACES)は、サンゴ礁の監視と変化の定量化を革新する2つの先進イメージング技術を開発した。これらの研究は学術誌Frontiers in Marine Scienceに発表され、人工知能を統合することで、従来は困難だった広域かつ高解像度のサンゴ礁モニタリングを可能にする。 1つ目はNASA由来の流体レンズ技術にAIを統合した航空観測手法だ。波による光の歪みを計算で補正し、水深約20メートルまでセンチメートル単位の解像度を実現する。グアムのテムン湾を2022年と2024年に調査し、2023年の台風マワー上陸前後を比較した結果、大型サンゴ被度が59%減少、藻類が105%増加したことを明らかにした。ボランティアと専門家の教師データで訓練されたディープラーニングモデルにより、画像の自動分類を高精度で実行している。 2つ目は水中写真の解析を自動化するAIシステムPICOGRAMだ。従来は数ヶ月を要したサンゴ輪郭の手動抽出を、画像特徴に基づく自動学習で高速化する。NOAAの監視データで訓練・検証され、既知環境で専門家注釈と87.5%の一致、未知環境でも82.5%の一致を達成した。不確実な予測は平均2回のクリックで修正可能であり、NASAの運用準備度レベル8を取得し、NOAAで実運用試験が進んでいる。 ACESのチライアト所長は、サンゴ礁の急速な変化に対し情報収集と分析の効率化が不可欠だと指摘する。航空広域観測と水中コロニー単位の解析を組み合わせることで、災害被害の評価、修復プロジェクトの効果測定、保全リソースの最適配分が現実的になる。これらの技術はサンゴ礁が支える漁業・観光・海岸防護の持続可能性向上に大きく貢献すると期待されている。
