アルトマンらAI企業トップ、公開SNSで激突
米国シリコンバレーを拠点とするAI企業の最高経営責任者(CEO)たちが、X(旧Twitter)を舞台に対立をエスカレートさせている。OpenAIのサム・アルトマンCEOとエロン・マスク氏、Anthropicのダリオ・アモデイCEOを巡る応酬は、AppleによるOpenAIの貿易機密侵害訴訟をきっかけに本格化した。マスク氏はAppleの提訴を支持しアルトマン氏を批判。アルトマン氏はこれに対し、マスク氏のスペースデータセンター投資やSpaceXのデータプライバシー問題を指摘し、自社の新モデルGPT-5.6 Solの成功を示唆する形で応酬した。両者は創設期の紛争や訴訟を巡って互いを非難したが、Google DeepMindのデミス・ハサビスCEOによるAI安全綱領論文を共同で評価するなど、安全性議論では一定の共通基盤も持ち合わせた。OpenAIはAppleの主張に証拠がないと否定し、コメントを控えている。 並行してアルトマン氏は主要競合のAnthropicにも言及した。同社のAIの将来を問う広告キャンペーンや、モデルFable 5のセキュリティフィルタリングの運用変更、ユーザーアクセスの制限を批判し、安全性への懸念を唱えながら自社の技術のみが救済策と主張する姿勢を指摘した。アルトマン氏はユーザー扱いやモデルの透明性を巡り、競合他社への警告ともとれる投稿を行い、業界内の信頼競争が激化していることを示した。 一連のSNS応酬は、企業間の法的紛争が公衆の認識論争へ転嫁される現代のテクノロジー業界の構造を浮き彫りにしている。AI開発の競争軸が単なる性能向上から、データ倫理、プライバシー保護、ユーザー信頼を巡る意識高い系の対立へと移行しつつある中、CEOたちの公言が市場心理や規制議論に与える影響はさらに大きくなる見込みだ。
